陰陽五行説(陰陽道と五行説)

陰陽五行説とは?簡単に

  • 陰陽五行説いんようごぎょうせつは中国の古代哲学のひとつで、十二支・占いなどにも影響を与えている
  • 「陰陽説」+「五行説」=「陰陽五行説」
  • ▼陰陽説:万物は相反する「陰」と「陽」の2つの気で成り立つという思想
  • 五行説:万物は「木・火・土・金・水」の5元素で成り立つという思想

陰陽道・陰陽説

陰陽説・陰陽思想は、すべての事柄は「陰」と「陽」にわけられ、陰と陽がお互いに影響しあいながら万物を生成し、発展していくという考えです。

陰陽の例

テーマ
天体太陽
光闇
昼夜
性別
兄弟
静動
数字偶数奇数
数学負(-)正(+)
天気
季節秋と冬春と夏
方角北と西南と東

陰と陽で相反するものは、それぞれが独立して存在するのではなく、お互いに依存しあって存在しています。片方があるから、もう一方があるという考え方です。

太極図

完全な陰や完全な陽はなく、陰の中にも陽の性質があり、陽の中にも陰の性質があります。陰が増えれば陽が減り、陽が増えれば陰が減るというように、それぞれが量的にバランスを取りながら循環しています。

陰陽道と四季

夏至の気が最大となり、以降はの気は徐々に衰えます。
代わりにの気が徐々に強まり、冬至になるとの気が最大となります。
太陽の熱と光は1年を単位に増減し、それによって春夏秋冬の四季が生まれます。

太陽の動きと太極図

【二十四節気を表す原始対極復元図】太陽の動きと太極図。陰影部分を塗りつぶすと太極図になる
  • 太陽の陰影によって描かれる図は、太極図のもとにもなっている
  • 白い部分が陽、黒い部分が陰。円の半径をそれぞれ確認していくと夏至のときに陽が最大、冬至のときに陰が最大となっている

五行説

古代中国の人々は、木星・火星・土星・金星・水星の5つの惑星は、この世の事象(自然や人間、社会など)と深い関係があると考えました。そして、万物は木・火・土・金・水(まとめて「もっかどごんすい」と呼ぶ)の5つの気によってできていると考えました。

陰陽道では、万物は陰陽の2つの気によって生じ、木・火・土・金・水の性質に当てはめられるという思想では、宇宙にはこの5つの気が絶えず循環していると考えられます。気が巡っていることを「行」と表し五行ごぎょうといいます。

五行の相生(創造)と相克(破壊)

木・火・土・金・水が互いに順応していくことを「相生そうせい」、逆に相手を攻撃しあうことを「相克そうこく」といいます。これが陰陽説と結びつけられ、陰陽五行説となりました。

相生(創造)
丸い円を描く形。何かを生み出していく親子関係のような、穏やかな・自然な・協力的な関係

相生のサイクル

木は燃えて火を生む→火は燃えて灰と土が生じる→土中から金属類を産出する→金属は表面に水を生じさせる→水は木を育てる

相克(破壊)
五芒星の形。相手に対して向かっていく、緊張した・お互いに力を消耗する関係

相克のサイクル

木は土の養分を吸い取る→土は水を汚す→水は灯を消す→火は金属を溶かす→金属は木を切る

五行の特性 一覧表

さまざまなものが五行の性質にあたると考えられ、下記の表に示すような特性があるとされています。

テーマ
天体木星火星土星金星水星
季節 土用
方角中央西
五節句 人日 上巳 端午 七夕 重陽
五臓
五腑胆嚢小腸大腸膀胱
五体
五官唇(口)
五指薬指中指人差し指親指小指
五感視覚聴覚嗅覚味覚触覚
気候湿
味覚鹹(塩辛い)
十干甲・乙丙・丁戊・己庚・辛壬・癸
十二支寅・卯巳・午丑・辰・未・戌申・酉亥・子
八卦震・巽坤・艮乾・兌
2・3・(4)月5・6・(7)月4・7・10・1月8・9・(10)月11・12・(1)月

五行と四季

1年は四季に分かれますが、五行にも割り当てられます。

  • 春は「木気方局」
    春は、2・3・4月(旧暦1・2・3月)。十二支では寅・卯・辰。五行では「」となる。
  • 夏は「火気方局」
    夏は、5・6・7月(旧暦4・5・6月)。十二支では巳・午・未。五行では「」となる。
  • 秋は「金気方局」
    秋は、8・9・10月(旧暦7・8・9月)。十二支では申・酉・戌。五行では「」となる。
  • 冬は「水気方局」
    冬は、11・12・1月(旧暦10・11・12月)。十二支では亥・子・丑。五行では「」となる。

※それぞれ四季の最後である、辰・未・戌・丑は五行の「土」にも割り当てられ、土用を表す。