八卦(小成卦)

八卦とは?

八卦はっけとは、古代中国の思想である易経で用いられる、陰陽の概念に基づいた8種類の図形のことです。

八卦は陰爻()と陽爻()という2つのこうを3本重ねて作られます。陰と陽の組み合わせによって、8つの卦が生まれます。小成卦しょうせいかとも呼ばれます。

八卦が語源となったことば

「はっけよい」

相撲の取組前に力士が土俵入りをする際、行司が「はっけよい、のこった」と叫ぶ言葉ですね。この「はっけよい」は、諸説ありますが、一般的には以下の2つの説が有力です。

  1. 八卦説: 易経の「八卦」に由来し、「良い卦になった」という意味。つまり、力士が勝負に勝つための良い兆しを祈る言葉とされています。
  2. 発声説: 力士たちの気を引き締め、集中力を高めるための掛け声という説。

「当たるも八卦、当たらぬも八卦」

「当たるも八卦、当たらぬも八卦」は、占いや予言の結果が必ずしも当たるものではないという意味の慣用句です。まさに易経で用いられる、この八卦のことを指しています。

八卦の構成

図の下から順に、太極から陰()と陽()二つにわかれ ⇒ 次に四象(老陽・少陽・老陰・少陰)にわかれ ⇒ さらに分裂して三本の爻からなる8種類の象(八卦)になります。

八卦はそれぞれ天、沢、火、雷、風、水、山、地を象徴し、この8つで森羅万象を表すといわれています。

  • こん:地を表し、受容、安定、母性を表します
  • ごん:山を表し、停止、遅延、堅固などを表します
  • かん:水を表し、危険、困難、智恵などを表します
  • そん:風を表し、柔和、順応、浸透などを表します
  • しん:雷を表し、動き出し、興奮、恐れなどを表します
  • :火を表し、明るさ、熱情、名声などを表します
  • :沢(沼)を表し、喜悦、口舌、悦楽などを表します
  • けん:天を表し、剛健で進取の気質を表します
八卦
卦名
音読みコンゴンカンソンシンケン
訓読みひつじさるうしとらたつみいぬい
自然
人間少男中男長女長男中女少女
属性
身体
動物
方角南西北東南東西北西
五行と五星土|土星土|天王星水|水星木|冥王星木|木星火|火星金|金星金|海王星
易数87654321

八卦の活用

八卦の役割

八卦は、自然界や人間の状況を象徴的に表し、それらの変化や相互関係を説明するために用いられました。

  • 方位: 各卦は特定の方位に対応し、その方位に存在する事物や現象を表す。
  • 季節: 各卦は季節に対応し、その季節の気候や特徴を表す。
  • 人物: 各卦は人物の性格や才能を表し、その人物の運命を占う。
  • 事象: 各卦は様々な事象を表し、その事象の吉凶を占う。

八卦の利用

八卦は、方位などに当て、吉凶を占う占いとしても用いられます。また、当たるも八卦、当たらぬも八卦というように、外れても気にするな、信用するのはほどほどにしておけ、という意味合いでも使われます。

八卦は、中国で発達した世界認識の理論・方法でもあり、一般に占いに用いられます。