お正月の行事・文化

お正月とは?由来を簡単に

  • お正月はもともと新しい年の幸運をもたす「歳神様としがみさま」をお迎えする行事
  • お正月とお盆は対になっていて、夏のお盆が仏教的な意味合いが強いのに対し、お正月は先祖の霊を神様として迎える日として定着してきた
  • お正月は現在、1月1日から1月3日までの「三が日」、もしくは1月7日(地域によっては15日)までの「松の内」の期間を指す

歳神様とは?

歳神様としがみさまは穀物に実りをもたらす穀物神で「正月様」「歳徳神としとくじん」とも呼ばれ、地方によっては「お歳徳とんどさん」「恵方様」「トシドン」「歳爺さん」など、かなり親しみを持って呼ばれています。また、歳神様は先祖の霊とも考えられていました。

お正月の行事・文化

正月飾りをする

玄関には門松と注連しめ飾りを、また神棚や床の間には鏡餅を飾りましょう。正月飾りのひとつひとつには、歳神様へのメッセージが込められています。

初日の出を見る

新年最初の朝に昇る太陽が「初日の出」。「御来光ごらいこう」ともいい、これを拝み新しい年の幸運を祈るしきたりがあります。高い山の山頂で迎える御来光は特別にありがたいものとされています。

若水を汲む

元旦の早朝に井戸や泉から水を汲み、汲んだ水を若水(わかみず)を、歳神様への供え物や家族の食事に使います。若水は一年の邪気を払う縁起物と考えられています。
若水は、元日の朝早く、まだ人に会わないうちに汲みに行きます。もし人に会っても口をきかないのがしきたりでした。

正月料理をたべる

おせち料理

おせち料理日持ちする料理を重箱に詰めたお正月の伝統料理。歳神様へ備える縁起物の料理のため、食材にはそれぞれ人々の願いが込められています。

お雑煮

お雑煮歳神様にお供えした餅と、野菜や肉などを煮込んで作る料理。おせち料理と同様、もともとは正月だけの料理ではありませんでしたが、庶民に伝わることで一年の初めに食べる正月料理として定着しました。
地域によって、餅の形や具、仕立てが異なります。

お屠蘇

お屠蘇屠蘇おとそは元日の朝、家族そろって最初に飲むお酒。無病息災を願って、年下の者から順に3回ずつ飲んでいくしきたりがあります。白朮びゃくじゅつ桔梗ききょう・防風・山椒さんしょう肉桂にっけい丁子ちょうじなどの薬草を調合し、酒やみりんに浸してつくります。

お年玉をあげる・もらう

お年玉お正月の子どもたちの最大のお楽しみ「お年玉」。そのルーツは歳神様へのお供え物の丸いお餅。もともとは「御蔵魂おとしだま」といい、歳神様にお供えした餅をおろして年少者に分け与えたのが始まり。室町時代にはお酒や筆、すずりなどを贈りあう習慣となり、江戸時代になって現在のような金銭になったということです。

お正月遊びをする

昔ながらの正月遊びには、大人も子どもも一緒に遊べる楽しい遊びがたくさんあります。凧揚げ、かるた、コマ回し、羽子板、すごろく、福笑いなどが代表的。

初詣に行く

初詣年が明けて初めて寺社仏閣を参拝すること。松の内(1月7日もしくは1月15日)までというのが習わしです。昔は地域の氏神様を祭っている神社にお参りをして一年の無病息災を祈るのが一般的でしたが、現在はどこの神社やお寺でも問題ありません。

初夢をみる

新しい年を迎えて初めて見る夢を「初夢」といいます。日付には諸説ありますが、1月2日の夜に見る夢をいうのが一般的。「一富士、二鷹、三茄子」を見ると縁起がいいといわれます。

書初めをする

新年に初めて書く書や絵を、書初かきぞめといいます。1月2日に書初めをするのが江戸時代以降の習わしで、恵方(歳神様がいるめでたい方角で毎年変わる)をむいて一年の豊富や目標をしたためます。

小学校の冬休みの宿題で書初めをした人も多いと思います。新年の抱負や目標を書く人もいますが、書初めは本来「富士山」や「日の出」「松竹梅」などおめでたい言葉を書くとよいでしょう。

小正月にどんど焼きで書を燃やす習慣もあり、炎が高く燃えるほど字や絵が上達といわれます。

年始回りをする

新年のあいさつをするために親類や知人の家を訪問することを年始回りといいます。年始回りをする場合は、元日は避けて松の内(1月7日もしくは1月15日)までに済ませます。もとは、親類縁者を集めて食事をしながら結束を固めたのがはじまりです。