お屠蘇

お屠蘇とは?

屠蘇おとそとは、酒やみりんに生薬を漬け込んだ薬草酒です。正式には屠蘇延命散とそえんめいさんと言います。
もともとは中国から宮中に伝わったもので、江戸時代に庶民の間にひろまりました。

お屠蘇は、一年間の邪気を払い、長寿を願って正月に飲む祝い酒です。屠蘇の「屠」はほふる=邪気を払うという意味で、「蘇」は魂をよみがえらせるという意味です。邪気を払い生気を蘇生させるという意味で名づけられています。

屠蘇の袋の三角の形も、赤い色も魔よけを表します。

お屠蘇は、屠蘇散とそさんと呼ばれる生薬を日本酒やみりんに漬け込むことで作ります。屠蘇散には白朮びゃくじゅつ桔梗ききょう・防風・山椒さんしょう肉桂にっけい丁子ちょうじなど5〜6種類、多いものでは10種類ほどの生薬が配合されています。

年少者から先に、年長者を後にして東の方に向かって飲むしきたりがあります。

お屠蘇と五行説の関係

お屠蘇は、薬草を漬け込んだ飲み物なので、五行説の「木」の気を表します。また、元旦(旧暦の寅月)も「木」の気です。そして、東に向いて飲むことも、「木」の気を象徴しています。

正月は、歳神様(=木の気)をお招きする儀式で、屠蘇を飲むしきたりは若々しい生命力を再生させることにつながっています。