若水汲み・若水迎え

若水汲みとは?

若水汲わかみずくみとは、元旦立春の早朝に井戸や泉から水を汲むことです。汲んだ水を若水わかみずといい、歳神様への供え物や家族の食事、口をすすぐ、茶を立てるなどに使います。

若水は縁起の良いものとして神仏に捧げられており、一年の邪気を払うと言われています。古くは立春の朝に汲む水を若水といい、宮中では主水司もいとりのつかさが天皇に献じていましたが、これは当時は立春正月であったためです。

若水を汲むのは年男(正月の行事を取り仕切る家長)で、元日の朝早く、まだ人に会わないうちに汲みに行きます。もし人に会っても口をきかないのがしきたりでした。

若水はどこで汲む?

水道が普及した現代では、水道水やペットボトルの水などで代用することもあります。ただし、旧慣を守って元の場所から汲み続けている土地もあると言われています。

若水のやり方

若水のやり方は、次のような流れです。

  1. 正月の早朝、まだ暗いうちに、新しい桶と柄杓を持って水場へ向かう
  2. 水場に着いたら、水神に供物を捧げ、唱えごとを言った後に水を汲み上げる
  3. 水源から柄杓で若水を汲んで桶に溜める
  4. 鳶ノ米を水源の近くの木にくくりつけてお供えする
  5. 若水を家に持ち帰って神仏に供える
  6. 神様が召し上がった水を沸かして茶や雑煮にする