春節とは
春節とは、中国や中華圏における旧正月(旧暦のお正月)のことです。中国では1年で最も重要な祝祭日とされており、新暦のお正月(1月1日)よりも盛大に祝われます。
旧正月と春節は、どちらも旧暦の1月1日を指す言葉で、意味は同じです。
旧正月は、中国や台湾、シンガポール、韓国、ベトナム、マレーシアなど、アジア各国を中心に祝われています。主に中国や台湾では旧正月のことを春節と呼びます。
春節は国民の祝日に指定されており、三大節句の1つとされています。春節の起源は紀元前1600年頃と言われ、当初は、豊作を祈ったり祖先を祀ったりすることを目的とした行事でした。
春節はいつ?
時期は年によって異なりますが、概ね1月下旬から2月上旬です。
春節は旧暦に基づく祝日のため、現代で使われている太陽暦(グレゴリオ暦)では毎年日付が異なります。月の満ち欠けに沿って作られている旧暦を、太陽の動きに沿って作られている新暦におきかえて比較しているためです。
春節のしきたり
春節には、次のような行事があります。
- 爆竹を鳴らして旧年を送り新年を迎える
- 若い者が目上の人に新年のあいさつをする
- 年長者が若い者にお年玉をあげるなど、挨拶まわりをする
- 正装をして、友達や親戚の家を互いに訪問する
- 夕方、家族が集う夕食会を開く
- 食事の後にお年玉を渡す
- 深夜0時になると、各家庭で花火を始める
- 赤い袋(紅包・アンパオ)にお年玉を入れて渡す
- 獅子舞で新年をお祝いする
春節の前日は「除夕」と呼ばれ、日本で言うと「大晦日」のような日です。家のなかの悪い気を外に出すという意味も込めて、大掃除をする人が多いです。また、旧正月は休業するお店が多いので、買い出しに繰り出す人たちもいます。
春節のあいさつ
中国語で春節の挨拶は「春节快乐(Chūnjié kuàilè)」です。これは新年の挨拶とは異なり、春節の挨拶としてのみ使用されます。
中国語で新年の挨拶は「新年好(Xīn nián hǎo)」や「新年快楽(Xīn nián kuài lè)」がよく使われます。
春節の挨拶として、次のような言葉もあります。
- 过年好(guò nián hǎo)よいお年を
- 年年有余(nián nián yǒu yú)ますます裕福になりますように
- 万事如意(wàn shì rú yì)すべてのことが順調に進みますように
- 新春快乐(xīn chūn kuài lè)
- 心想事成(xīn xiǎng shì chéng)
- 阖家欢乐(hé jiā huān lè)
- 大吉大利(dà jí dà lì)
春節の期間中は、親戚や友人などの家を訪ねて、新年のあいさつをして、良い1年になることを祈ります。その挨拶を中国語では「拜年」と言います。
春節の食べ物
春節料理の定番は、餃子、魚、春巻などです。昔の貨幣に似ていることから富をもたらすといわれる「餃子」、「毎年余るほどの収穫がある」という言葉に音が似ている「魚」、肉も野菜も一度に食べられて終始一貫しているのが縁起がいいとされる「春巻」などが定番とされています。