お花見の起源🌸
花見には2つの起源があると考えられています。
貴族の行事からきた説
奈良時代の貴族の行事「花宴」に由来する説。もともとは梅を見ながら歌を詠むものでしたが、平安時代に嵯峨天皇が催した花宴では、桜を観賞するようになったといわれています。
農村の神事からきた説
奈良時代以前の農村では、稲の成長を司る神様が信奉されていました。田の神信仰ともいわれます。桜は田植えの始まり(=田の神様の到来)を告げる花と考えられていたため、桜の木にお供物をして一年の豊穣を願っていました。
一般に広まったのは江戸時代
江戸時代に入ると、八代将軍・徳川吉宗が飛鳥山(現在の北区)や隅田川の土手(墨田区)などに桜を植樹し、江戸の各地に桜の名所が多く誕生しました。
庶民たちが弁当持参で花見に出かけ宴会を楽しむようになりました
代表的な桜の種類
寒桜
2月下旬に、淡紅色の一重の花を咲かせる
山桜
4月上旬に、淡紅白色の一重の花と赤みを帯びた若葉を開かせる
江戸彼岸
3月下旬の彼岸の頃に、淡紅白色の 一重の花が咲く。樹齢も長い
染井吉野
葉に先立って淡紅白色の一重の花を咲かせる。日本の代表的な桜
枝垂桜
「江戸彼岸」が枝垂れ型に変化したもの
大島桜
伊豆大島に多く、白色一重の花を咲かせる。塩漬けにした葉は、桜餅を包む時に用いる
お花見・桜にまつわる食べ物
花見団子
花見団子は、緑・白・ピンクの三色の串団子。 ピンクは桜のつぼみ、白は満開時の桜の花、緑は葉桜のといわれています。 (ピンクは魔除け、白は清浄、緑は邪気払いとも考えられています。ひな祭りの菱餅の意味と同じです。)花見団子の起源は、豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」といわれています。
1598年の春に、京都の醍醐に植えられた700本の桜のもとで花見が行われ、招待客には花見団子が振る舞われました。
桜餅
桜餅は、桜にちなんだ和菓子。
関東地方で考案され東日本に広まったものと、関西地方で考案され全国に広まったものの2種類存在します。
関東の桜餅を「長命寺」、関西の桜餅を「道明寺」と呼びます。
長命寺の桜餅
小麦粉を薄く焼いた皮で餡を巻く
道明寺の桜餅
もち米を荒めに砕いた道明寺粉で作った餅で餡を包む
「桜」の語源
「桜」の語源には諸説ありますが、代表的なものが以下の3つ。
「田の神(サ)」の「座(クラ)」説
田の神信仰により、冬の間は山にいた田の神様が、春に里に降りて桜の木に座すと考えられていました。
桜の「サ」は田の神様を、「クラ」は神様の座る場所の「御座」を意味します。
田の神様とは? 田の神(たのかみ)は、稲作の豊凶を見守り、豊穣をもたらすと信じられている神です。作神、農神、百姓神、野神とも呼ばれ、穀霊神・水神・守護神の諸神の性格も併せ持っています。 田の神信仰は全国各地にありますが、 …
「コノハナサクヤ姫」説
コノハナサクヤヒメの「サクヤ」が転じたという説。コノハナサクヤヒメは日本神話「古事記」や「日本書紀」などに登場する桜のように美しく、はかない命の女神。
(天照大御神の孫のニニギノミコトが、美しくはかない命の桜の神コノハナサクヤ姫と、岩の神で永遠の命を持つが醜い姿の姉のうち、美しいコノハナサクヤ姫を選んだがために人の寿命は短くなったという神話があります。)
「咲く」の複数形「ら」をつけた説
この説に関しては、「ら」の接尾語は「咲く」という動詞にはつかないのでは?という疑問もあります。
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