年越の祓(師走の大祓)

年越の祓・師走の大祓とは?

年越(師走)としこし(しわす)大祓おおはらえは、1年で溜まった罪や穢れを祓い、清らかな心身で新年を迎える大みそかの行事です。

年越の大祓とは?「心の大掃除」が必要な理由

年越の大祓は、神話の時代から続く日本古来の浄化の儀式です。
古くは平安時代に編纂された書物『延喜式(えんぎしき)』にもその記述があり、半年に一度、毎年6月30日には「夏越の大祓」、12月31日には「年越の大祓」と、年に2回行われます。

年越しの祓

私たちは、日常生活の中で知らず知らずのうちに他人を傷つけたり、不摂生をしたりして「罪・穢れ(けがれ)」を溜め込んでしまうと考えられています。「穢れ」とは「気枯れ(エネルギーが枯れた状態)」とも言い、大祓でお祓いすることで、本来の生命力を取り戻すことができるのです。

12月31日の年越の祓では、7月1日から12月31日までの半年の間に溜まった罪や穢れを祓い清め、新たな年を迎えます。

人形(形代)の正しい書き方と作法

年越しの大祓では、人形ひとがたと呼ばれる人の形に切った白紙を用いて、けがれをはらい無病息災を祈ります。自分の身代わりとして穢れを移すための大切な道具です。

形代

【実践】形代の書き方・手順

  • 名前を書く
    人形の表面に自分の氏名を記入します。
  • 年齢を書く
    名前の横に年齢を書きます。一般的には「数え年」で記入しますが、満年齢でも失礼にはあたりません(不安な場合は「満〇〇歳」と書くと丁寧です)。
  • 撫でる
    人形で自分の全身を優しく撫でます。特に調子が悪い部分や、怪我をしている場所がある場合は念入りに行いましょう。
  • 息を吹きかける
    自分の罪や穢れを移すイメージで、人形に3回息を吹きかけます。

「数え年」の簡単な計算方法

数え年とは、生まれた日を「1歳」とし、元旦を迎えるたびに年を取る数え方です。

  • その年の誕生日がまだの人: 満年齢 + 2歳
  • その年の誕生日が終わった人: 満年齢 + 1歳

例:12月31日時点で30歳の人は、数え年では「31歳」となります。

初穂料(料金)の相場は?

大祓に参加する際、人形と一緒に納めるお礼を「初穂料(はつほりょう)」と言います。

  • 相場の目安: 1,000円〜5,000円程度(家族全員分でまとめて納める場合が多いです)。
  • 封筒の書き方: 白封筒、または神社指定の袋に入れ、表書きに「初穂料」または「お気持ち」と書き、その下に氏名を記入します。
初穂料

※神社によっては「お気持ち(おいくらでも)」とされていることも多いですが、迷ったら1,000円〜を目安にすると良いでしょう。

「茅の輪(ちのわ)くぐり」の由来と正しい作法

大祓といえば、大きな輪をくぐる「茅の輪くぐり」を思い浮かべる方も多いでしょう。これは、スサノオノミコトの神話に由来する、無病息災を願う儀式です。

茅の輪くぐり

12月にも茅の輪はあるの?

実は、茅の輪は6月の「夏越の大祓」で設置されるのが一般的ですが、近年では12月の「年越の大祓」でも設置する神社が増えています。 もし境内に茅の輪があれば、ぜひ以下の作法でくぐってみてください。

茅の輪のくぐり方(八の字)

基本は、和歌を唱えながら「左まわり→右まわり→左まわり」の順に、八の字を描くように3回くぐります。

  1. 一礼してくぐる: 左足で踏み出し、左側に回って正面に戻る。
  2. 一礼してくぐる: 右足で踏み出し、右側に回って正面に戻る。
  3. 一礼してくぐる: 左足で踏み出し、左側に回って正面に戻る。
  4. 最後の一礼: そのまま真っ直ぐ進み、本殿へお参りします。

唱え言葉(一例)
「祓いたまえ、清めたまえ」と心の中で唱えるだけでも十分ですが、「蘇民将来(そみんしょうらい)」という言葉を唱えながらくぐると、より縁起が良いとされています。

年越しの大祓は自宅からでも参加できる?

忙しくて大晦日に参拝できない場合でも、多くの神社で「郵送」や「事前受付」を行っています。 あらかじめ神社で人形をもらっておき、大晦日までに返送(または持参)することで、当日の神事でお祓いをしていただくことが可能です。