土用の丑の日

土用の丑の日とは?簡単に

  • 土用どよううしの日とは、暑気払いに食養生する日のこと
  • 7月20日ごろ~8月7日ごろの期間にある丑の日。日にちは毎年変わり、年によっては丑の日が2回訪れることもある
  • 夏バテを避けるために、うなぎや梅干しなど「う」の字の付くものを食べる風習がある

土用とは

「土用」といえば夏の風物詩のようにとらえられがちですが、本来、土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を指し、立秋前がいわゆる「夏の土用」です。

十二支で表した「丑の日」は土用の期間中に2回訪れる年もあり、この場合は1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」と呼びます。

土用の丑の日のしきたり

この時期は夏の盛りであり、夏バテする人も多くいました。それを避けるために「土用の丑の日に、「う」の字のつくものを食べれば暑気あたりしない」という伝承が生まれました。

「う」のつく食べ物

うなぎうなぎ
ビタミンA・Eのほか、脂質やタンパク質を多く含み、夏バテ予防に最適なウナギ。胃もたれや夏風邪にもよいとされます。
瓜ウリ
カリウムが豊富で水分を体外に排出する働きがあります。利尿作用でむくみを解消し、体の余分な熱を冷ますといわれます。
梅干し梅干
有機酸が疲労回復や肩こりにも効果が菌の増殖を抑え、腸内環境の改善も。食中毒予防にも効果があります。
うどんうどん
麺類の中でも特に消化のいいうどんは疲れた体や脳に素早くエネルギーを補給。食欲がなくても食べやすい。

うなぎの豆知識

うなぎを食べるようになった理由

本来、天然うなぎの旬は10月から12月頃です。しかも濃厚に味付けされたうなぎを暑いさなかに好んで食べる人は少なく、うなぎ屋は困っていました。
その悩みを解決したのが江戸時代中期の蘭学者・平賀源内です。源内が「本日、土用丑の日」と書いてうなぎ屋の店先に貼り出したところ、大変な評判になったとの説があります。

うなぎのさばき方

うなぎのかば焼き関東と関西とではうなぎのさばき方が違います。
関東は背から開いて串に刺して皮から焼き、白焼きにしたあと蒸して再びたれをつけて焼きます。関西では腹側から開き、たれをつけて蒸さずに串焼きにします。
「江戸の背開き」「京阪の腹開き」ともいいます。

土用餅

土用餅土用の丑の日に食べるあんこ餅。関西や北陸地方に残っている風習です。小豆は昔から邪気払いの食べ物として、さまざまな行事料理に使われています。
土用餅は、ガガイモの葉を煮出した汁で米の粉を練り、みそ汁に入れて飲んだことに由来しているといわれています。

丑湯

ほかにも、土用の丑の日には「丑湯」という薬草を入れた風呂に入ったり、海水浴に出かけたりする風習が見られます。また、この日にアジサイの花を軒下に吊るしておくと、金運が上がるという言い伝えも残されています。