地鎮祭とは?その目的と歴史
地鎮祭とは、建物を建てる前にその土地の神様(氏神様・大地主神)を鎮め、土地を利用させてもらう許しを得る儀式のことです。「とこしずめのまつり」とも呼ばれます。

地鎮祭を行う2つの大きな理由
- 工事の安全祈願: 建設中の事故やトラブルを防ぐ。
- 家内安全の祈願: その土地で家族が末長く安全に暮らせるよう願う。
古来より「土地は神様からお借りするもの」と考えられてきました。着工前に丁寧にご挨拶をすることで、清々しい気持ちで家づくりをスタートできます。
地鎮祭の歴史
古来より日本人は、あらゆるものに神が宿ると考えてきました。
平安時代の書物にはすでに陰陽師が儀式を行った記録があり、明治時代以降、現在のような神職によるスタイルが定着しました。
地鎮祭にふさわしい「日取り」の選び方
日取りを決める際、一般的には「六曜(ろくよう)」を参考にしますが、さらに踏み込んだ「十二直(じゅうにちょく)」まで意識すると、より専門的で縁起の良い日を選べます。
六曜(ろくよう)で選ぶなら
- 大安(たいあん): 何事においても吉とされる最高の日。
- 先勝(せんしょう): 「先んずれば即ち勝ち」。午前中が吉。
- 友引(ともびき): 朝晩が吉、昼が凶。「幸せを分かち合う」という意味で慶事に好まれます。
六曜 読み 意味 先勝 せんかち/せんしょう/さきかち 「先んずれば勝つ」という意味。万事に急ぐことがよく、午前中が吉 友引 ともびき/ゆういん 「友を引く」と読まれるがもとは「共引」、つまり陰陽がつり合う引き分けのこと …
さらにこだわりたい「十二直」の吉日
建築に関わる儀式では、以下の日が特に「建築吉日」とされています。
- 建(たつ): 万物を建て生じる日。最良の日。
- 満(みつ): 全てが満たされる日。
- 平(たいら): 物事が平穏に静まる日。
- 定(さだ): 物事が定まる日。建築の基礎を固めるのに最適。
- 成(なる): 物事が成就する日。
十二直 意味 ⭕ 吉事 ✖ 凶事 建たつ 万物を建て生じる日(物事をはじめるのに好日) 神仏の祭祀・結婚・開店・移転・柱立て・棟上げ・旅行 屋敷内の建築・改修・蔵開き 除のぞく 障害を取り除く日(百凶を除く吉日) 医薬の …
これらに「三隣亡(さんりんぼう)」などの凶日が重ならないよう、ハウスメーカーや神社と相談して決めましょう。
雨の日の地鎮祭は縁起が良い?悪い?
当日が雨予報だと不安になりますが、実は神事において雨は決して悪いことではありません。
- 「雨降って地固まる」: 地面がしっかり固まり、家が揺るがないという吉兆です。
- 「禊(みそぎ)の雨」: 雨には浄化の力があり、土地の穢れを洗い流してくれると考えられています。
基本的にはテントを張って執り行います。 準備は施工会社が行うのが一般的なので、施主が心配する必要はありません。足元がぬかるむため、動きやすく汚れても良い靴で参列しましょう。
地鎮祭と上棟式の違い
よく混同される2つですが、タイミングと目的が明確に異なります。
| 比較項目 | 地鎮祭 | 上棟式 |
| 時期 | 着工前(さら地) | 骨組み完成時(屋根がついた頃) |
| 対象 | 土地の神様への挨拶 | 建物の神様と職人さんへの感謝 |
| 主な儀式 | 鍬入れ(くわいれ) | 棟木(むなぎ)を上げる |
| 謝礼先 | 神職(初穂料) | 棟梁・大工さん(ご祝儀) |
上棟式とは?簡単に 上棟式のしきたり 上棟式では、厄払いの意味でお赤飯を配ったり、餅やお菓子、おひねりをまいたりするところもあります。 家主は周囲に施しをすればするほど家が栄えると信じられてきました。本来は神主や住職を招 …
地鎮祭のしきたりと「祭場」の作り方
儀式が行われる場所は、神様をお招きするための特別な空間です。


結界(けっかい)
神様に土地の利用の許しを得るために、土地の四隅に青竹を立てて注連縄で囲います。
お供え物
注連縄で囲った結界の中に、神様への献上物として、お神酒(おみき)、お米、お塩、お水、そして海のもの(魚・海藻)、山のもの(野菜・果物)を供えます。
日本では古くから、あらゆるものには神様が宿り、土地も神様のものとされてきました。家を建てたり田植えをする土地は、神様からお借りしているものと考えられています。
施主の最大の見せ場「鍬入れ(くわいれ)」
地鎮祭のクライマックスは、盛り土に対して行う「鍬入れの儀」です。
- 刈初(かりそめ): 設計者が鎌で草を刈る。
- 穿初(うがちぞめ): 施主が鍬(くわ)を入れ、土を掘る。
- 鎮物(しずめもの): 土地の平安を願い、基礎の下に神物を埋める。
この際、施主は「エイ、エイ、エイ!」と大きな声を出して鍬を振るうのが作法です。これには土地を活気づけるという意味が込められています。
気になる費用とマナー(初穂料・服装)
施主として最も気になる「お金」と「身だしなみ」についてまとめました。
初穂料(神主様への謝礼)の相場
- 相場:3万円〜5万円程度
- のし袋: 紅白の蝶結びの水引がついた祝儀袋(または白封筒)を用意します。
- 表書き: 上段に「御初穂料」または「御玉串料」、下段に「施主の姓」を記入します。
服装はどうすればいい?
基本的には「正装(スーツ)」が望ましいですが、最近では個人宅の場合、清潔感のある私服(ビジネスカジュアルなど)でも問題ありません。
ただし、サンダルや露出の多い服は避け、神様に失礼のない格好を心がけましょう。
地鎮祭を終えたら…「ご近所挨拶」の準備
地鎮祭の後は、工事の騒音などでご迷惑をかける近隣の方々への挨拶回りが大切です。 「もらって困らない、気の利いた手土産」を用意して、スムーズな近所付き合いをスタートさせましょう。





