酉の市とは?簡単に
主に関東各地で行われる、開運招福・商売繁盛を願う祭り。大勢の人でにぎわう
酉の市の名物。さまざまな縁起物が飾り付けられた熊手
名称(読み方) | 酉の市(とりのいち) |
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別名 | おとりさま |
しきたり・催しの内容 | 開運招福・商売繁盛を願う祭り。威勢よく手締めして「縁起熊手」を売る市が立つ |
実施時期 | ▼毎年11月の酉の日 |
開催場所(主催者) | 各地の大鷲神社 |
目的・願い | 商売繁盛・開運招福 |
由来 | 江戸時代に花又村(現足立区)の農民が秋の収穫を祝って大鷲大明神にニワトリを奉納したことが始まり。大鷲神社には、日本武尊が祀られている |
使用されるアイテム | 熊手 |
備考 | 熊ではもともとは農具として売られていたが、その形と用途から「福を取り込む縁起物」とされた |
酉の市の縁起熊手
指物という装飾をつけた熊手は、「縁起熊手」「飾り熊手」と呼ばれ、商売繁盛・開運招福の願いが込められている。
- 毎年より大きなものに買い換えると、さらに福を招く(1メートルほどの大きなサイズの熊手もある)
- 値段は熊手屋さんとの商談により決まる。予算内でより安く買えるのが良いとされるが、縁起ものなので値切るのはNG(買うときは三本締めをしてもらえる)
- 熊手を飾るときは、家のいちばん奥の高い位置から玄関に向けて飾る(外から内に福をかき込むいわれている)
指物の種類
- 恵比須: 商売繁盛や漁業の神様。右手に釣竿、左手に鯛を持つ。
- 大黒天: 恵比寿同様、商亮繁盛の神様。財運・豊穣の神。打ち出の小槌と米俵が象徴。
- 鶴: 長寿と吉兆の象徴。夫婦円満の意味も。
- 亀: 長寿と安定の象徴。「万年」と言われ縁起が良い。
- おかめ: 「お多福」とも。福を招くとされる笑顔の女性。家内安全の象徴。アメノウズメという芸能の女神がルーツ。
- 福笹: 菌力の強い笹は厄除けと招福に。
- 鯛: 「めでたい」に通じ、祝い事の象徴。
- エビ: 長寿の象徴。背が曲がる姿が老人に例えられる。
- 小判: 財運と富の象徴。「福を招く金」とされる。
- 大入袋: 商売繁盛や収入増を願う縁起物。
- 扇: 扇状に広がる形が「末広がり」を象徴。
- 当り矢: 成功や目標達成を祈る縁起物。
- 米俵: 豊作や繁栄を象徴。五穀豊穣の意味も。
- 招き猫: 右手でお金、左手で人を招く縁起物。
- だるま: 目標達成と七転び八起きの精神を象徴。
- 小槌: 叩くと福を呼ぶとされる打ち出の小槌の象徴。
酉の市のその他の名物
かっこめ(はっこめ)
小さな熊手に稲穂やお札のついたお守りも授与される。かんざしとし女性の髪に飾られることも。
八頭
サトイモの一種である八頭。食べると「人の上に立つことができる」「子宝に恵まれる」といういわれがある。
切山椒
上新粉に砂糖と山椒の粉を加えて短冊形に切った餅菓子。山椒は葉から花、実、幹、樹皮に至るまで、捨てるところがなく全て利用できるため、縁起が良いとされている。お正月用の餅菓子としても食べられる。
酉の日とは?11月の酉の日一覧
年 | 月 | 日 | ||
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一の酉 | 二の酉 | 三の酉 | ||
2019年(令和元年) | 11月 | 8日 | 20日 | |
2020年(令和2年) | 2日 | 14日 | 26日 | |
2021年(令和3年) | 9日 | 21日 | ||
2022年(令和4年) | 4日 | 16日 | 28日 | |
2023年(令和5年) | 11日 | 23日 | ||
2024年(令和6年) | 5日 | 17日 | 29日 | |
2025年(令和7年) | 12日 | 24日 | ||
2026年(令和8年) | 7日 | 19日 | ||
2027年(令和9年) | 2日 | 14日 | 26日 | |
2028年(令和10年) | 8日 | 20日 |
酉の市は、11月の酉の日に開催される。最初の酉の日を「一の酉」、次を「二の酉」、その次を「三の酉」と呼ぶ。
三の酉まである年は火事が多い?
三の酉まである年は火事が多いといういわれがあり、以下のような諸説がある。
- 酉の日は関係なく、火事の多い時期なので注意喚起した説
- 酉の市に乗じて、吉原遊郭にでかける夫に妻が「火事が多いから夜遊びはほどほどに」と注意した説
- 明暦3年(1657年)の大火事「明暦の大火」があった年が三の酉まである年だったという説