修二会

修二会とは

修二会しゅにえ とは、旧歴2月1日から日本のお寺で行われていた法会のひとつ。一般的には3月1日から2週間行われます。

なお、修正会しゅしょうえは正月に行われる法会です。修二会とは名前が似ていますが別の行事です。

東大寺二月堂の修二会

奈良県の東大寺二月堂の「お水取り」は最も有名な修二会です。歴史が古く、753年に東大寺の二月堂を創建した実忠和尚じっちゅうかしょうによって始めたとされています。

旧暦の2月に行われていたので、「二月に修する法会」という意味で「修二会」と呼ばれましたが、正式名称は「十一面悔過じゅういちめんけか」といいます。人々が日々犯している多くの過ちを、十一面観世音菩薩の宝前で懺悔し、国家の安泰と国民の幸せを祈る意味があります。

東大寺の修二会では、観音様にお供えする「お香水こうずい」を汲み上げる「お水取り」や、修二会を行う行者・練行衆れんぎょうしゅうの道明かりである松明たいまつに火を灯す儀式などが行われます。

東大寺の二月堂

東大寺二月堂

松明

夜になると大きな松明に火が灯される

お水取り

若狭井

お水取りとは、東大寺二月堂で行われる修二会の一行事。観音様にお供えする「お香水」を閼加井屋あかいやの井戸に汲みに行くので「お水取り」と呼ばれるようになりました。閼加井屋は若狭井わかさいとも呼ばれます。
お水取りは、3月12日の深夜に大きな松明の明かりに灯されながら、練行衆によって執り行われます。

重要文化財 閼伽井屋あかいや
鎌倉時代初期
この閼伽井屋は、修二会しゅにえに際し毎年三月十二日(十三日午前一時過ぎ)にこの屋内にある井戸より本尊十一面観世音菩薩にお供えする御香水おこうずい閼伽水あかみず)を汲む儀式を行うところである。
天平勝宝四年(七五二)実忠じっちゅう和尚が二月堂で初めて修二会しゅにえを行い諸神を勧請した際、若狭国の遠敷おにゅう明神が献したものであるとこから「若狭井わかさい」とも呼ばれる。
現在の建物は、十三世紀初期に再建されたものであろう。

東大寺

若狭お水送り

遠敷川

「お水取り」に先駆けて、3月2日に福井県の若狭神宮寺では「お水送り」が行われます。お水送りでは、巨大な松明を振り回し、大護摩おおごまを焚きます。住職が送水文を読み上げ、邪気払いをした後、お香水を遠敷川おにゅうがわに流して儀式は終了。
お香水は10日後に東大寺の若狭井に届くとされており、お水取りで汲まれ、観音様に供えられます。