鏡餅

鏡餅とは?

鏡餅とは、丸い餅を2段重ねにした正月飾りのひとつです。

鏡餅は、大小2つの丸い餅を重ねたお供え物で、神仏に供えます。2つの餅は陰と陽を表し、円満に年を重ねる、といった意味が込められています。

鏡餅は、古来に使用されていた青銅製の丸い鏡と形が似ていることに由来して「鏡餅」と呼ばれるようになりました。また、鏡餅の丸い形は人の魂(心臓)を表すとも言われています。

鏡餅は、神様と人を仲介するものであり、1年間の幸せを願う「晴れの日」に神前に捧げた餅をみんなで分け合って食べることで、神様からの祝福を受けようという信仰・文化の名残りです。

鏡餅の飾り方

鏡餅の正式な飾り方は次のとおりです。

  1. 三方の上に半紙や奉書紙、四方紅を敷く
  2. その上に紙垂しで裏白うらじろゆずり葉を重ねる
  3. その上に重ねた丸いお餅を乗せる
  4. 色付いた橙や昆布、干し柿を飾る
  5. 周囲に海の幸や山の幸をお供えする

鏡餅は直接置かずに、皿やお盆、懐紙などを敷いて飾りつけるのが理想的です。

鏡餅を飾る場所は、一般的に神棚や床の間です。しかし、最近の住宅では一戸建てでも神棚や床の間がないという場合もあるかもしれません。置く場所がなければ、居間や玄関からなるべく離れた場所に飾りましょう。

鏡餅を飾る向きは、テレビの上のような騒がしい場所や、見下すような低い場所ではなく、リビングボードの上などにきちんとお供えします。供える方角は、その年の恵方、または南向き、または東向きが良いと言われています。

鏡餅の数に決まりはなく、いくつ飾ってもかまいません。大きさは、一番大きくて立派な鏡餅は床の間や玄関、それよりも小さくて中くらいのサイズは神棚や仏壇、一番小さいサイズを個人の部屋やトイレ、台所などに飾るのが一般的です。

飾りの意味

だいだい
家が「代々」続くようにとい願いが込められている。
橙は冬に実が黄色く熟しても落ちず木に数年留まり、春になると黄色の果実がまた青に戻る特徴から「回青橙」とも呼ばれる。(本来みかんではなく橙でないと意味がない。)

裏白うらじろ
シダの一種。シダは人類よりもずっと古くから地上に生えていることから、家系や人類の繁栄・長寿を願う。葉の裏が白いため、裏を返しても変わらぬ清浄な心を願ったともいわれる。

ゆずり葉
毎年新しい葉が出て古い葉から落ちるので、新旧交代の様を人間の家系に重ね合わせ、子孫繁栄を願う

鏡餅を食べるタイミング

鏡餅は、1月11日に鏡開きとして食べる習慣があります。地域によって異なる場合もありますが、一般的には1月11日が鏡開きの日です。