端午の節句と菖蒲の関係
毎年5月5日の「端午の節句」は、古来より厄除け・無病息災を願う伝統行事。この日に欠かせない植物が「菖蒲(しょうぶ)」です。
菖蒲の葉は強い香りを持ち、古代中国では邪気を払う薬草として尊ばれていました。その風習が日本にも伝わり、武士の時代には「勝負(しょうぶ)」に通じる縁起物として男児の健やかな成長を願う儀式に取り入れられました。
菖蒲の活用方法
菖蒲は、5月4日~5日に花屋さんなどで販売されます。菖蒲を使った楽しみ方をいくつかご紹介します。

菖蒲湯
湯に菖蒲の葉を浮かべて入浴する伝統的な健康法。香り成分にはリラックス効果や血行促進作用があり、古くから邪気払い・疲労回復・肩こり防止に使われてきました。
特に子どもや高齢者の健康を願って入れる習わしがあります。
菖蒲枕(枕の下に菖蒲)
寝ている間に邪気から身を守るとされる風習。昔の人々は、香りの強い植物には魔除けの力があると考えていました。
特に子どもや病人の枕元に敷くことで、一晩の安眠と健やかな目覚めを祈ったのです。
菖蒲の軒吊り(玄関・窓辺につるす)
菖蒲とヨモギを束ねて家の入り口に吊るすことで、災厄や悪霊の侵入を防ぐとされる風習。中国の端午節が起源といわれており、かつては病気の流行を防ぐ意味合いが強く込められていました。
菖蒲のはちまき
武士の時代には、「勝負強さ」を願って子どもに菖蒲の葉を巻いて鉢巻きにしたと伝えられています。特に男児に対して、勇ましく育つよう願掛けの意味が込められた風習です。
菖蒲酒
細かく刻んだ菖蒲の茎を日本酒などに浮かべて飲む伝統的な薬酒。香り成分による食欲増進・邪気払い・夏バテ予防が期待されています。飲用するだけでなく、神前へのお供えや親族の健康を願って振る舞われることもあります。
菖蒲打ち
子どもたちが菖蒲を束ねて地面を打ち鳴らす遊び。音によって邪気を追い払うとされ、かつては田舎の地域などで盛んに行われていました。「できるだけ大きな音を出すほど良い」と言われ、遊びながら厄除けになる風習です。
菖蒲の香りがもたらす自然のチカラ
菖蒲の葉に含まれる成分(アザロンやオイゲノールなど)には、消炎・殺菌・鎮静などの作用があるとされ、古くから薬草として民間療法にも使われてきました。科学的にも一定のリラックス効果があることが知られています。
菖蒲の葉は、古くから健康・魔除け・成長祈願に活用されてきた日本の伝統的な植物です。現代の暮らしにも取り入れやすい方法がたくさんあります。
かしこまりすぎず、季節の風習を楽しむ気持ちで、菖蒲のある暮らしを試してみてはいかがでしょうか。ご家族やご自身の健やかな日々を願いながら、気軽に取り入れてみてください。
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