お箸のマナー

一覧表】やってはいけない「嫌い箸」の種類

お箸のタブーは、一緒に食事をする人への配慮や、神聖な道具への敬意から生まれたものです。

特に注意したい「忌み箸(死を連想させる)」

以下の2つは仏事を連想させるため、最も避けるべき禁忌とされています。

嫌い箸の種類内容
拾い箸(ひろいばし)箸から箸へ料理を受け渡す。火葬後の骨上げを連想させるため厳禁。
立て箸(たてばし)ご飯にお箸を突き立てる。亡くなった方の枕元に供える「枕飯」を連想させるため。

周周囲を不快にさせる「不作法な箸」

食事の作法として美しくないとされる嫌い箸です。

嫌い箸の種類内容理由・背景
迷い箸どの料理を食べるか迷い、箸を器の上であちこち動かすこと。欲張りな印象を与え、同席者を不快にさせます。
さぐり箸器の中をかき回して、好みの具材を探すこと。作った人への失礼にあたり、見た目も非常に悪いです。
ねぶり箸お箸の先をなめること。唾液がつくため不衛生であり、品格を疑われる行為です。
涙箸お箸の先から汁をポタポタと滴らせること。テーブルや衣服を汚し、だらしない印象を与えます。
刺し箸料理をお箸で突き刺して食べること。お箸は「挟む」ものであり、料理の火通りを確認する検食を連想させます。
寄せ箸器をお箸で手前に引き寄せたり、押したりすること。器やテーブルを傷つける恐れがあり、非常に横着な動作です。

知らずにやってしまいがちな「タブー」

悪気はなくても、マナー違反と見なされることが多い項目です。

嫌い箸の種類内容理由・背景
渡し箸食事の途中で、器の上に箸を渡して置くこと。「もういりません(ご馳走様)」という合図と誤解されることがあります。
せせり箸爪楊枝代わりに、箸の先で歯を掃除すること。食事の場にふさわしくない、非常に不潔な行為です。
押し込み箸口の中に料理を無理やり押し込むこと。食べ方が汚く見え、喉を詰まらせる危険もあります。
握り箸お箸をグーで握るように持つこと。幼い印象を与え、お箸を正しく扱えないと見なされます。
拝み箸合掌した手の間に、お箸を挟んだまま「いただきます」をすること。箸先が相手に向くことがあり、神聖な動作である合掌への礼を失します。

お箸のルーツ

なぜお箸にこれほど多くのマナーがあるのでしょうか?それは、お箸がもともと「神様のための道具」*だったからです。

  • ルーツ
    弥生時代末期、中国大陸から伝わったとされます。当初は「手による汚れ」が神聖な食物に移らないよう、神事に使われる竹製のピンセットのような形(竹折箸)をしていました。
  • 現在も続く伝統
    天皇家の重要な神事である「新嘗祭(にいなめさい)」や「大嘗祭(だいじょうさい)」では、今もこの伝統的な竹折箸が使われています。

嫌い箸を避けることは、一緒に食事をする人を不快にさせないという、日本ならではの「思いやり」の文化です。
すべてを完璧に覚えるのは大変ですが、まずは「拾い箸」「立て箸」といった強い禁忌から意識し、美しい箸使いで楽しい食事の時間を過ごしましょう。