縁起のしきたり
縁起はもともと仏教から生まれた言葉です。
そのもとは「因縁生起」という考えからで「縁って起こる」、つまりこの世のあらゆるものごとには原因(因)と結果(起)があり、何らかの力(縁)によって存在するということ。縁起の法は「これがあるとき、かれがあり、これが生じるとき、かれが生じる、これがないとき、かれがない、これが滅するとき、かれが滅する」と表し、すべて因果関係があり、それ自体では成り立たない「空」という存在とみなします。
しかし、現在私たちが普段使っている「縁起」という言葉は、これとは違った意味を持っています。どちらかといえば吉凶の前兆として使われることがほとんどです。
縁起よくありたい、よい縁起を身近に置きたいということから、縁起を招くためのアイテムであるさまざまな「縁起物」も古くから人々に愛されています。
代表的な縁起物いろいろ
達磨
「七転び八起き」から。家庭円満、商売繁盛、必勝などを願うもので、眉は鶴、ひげは亀の形を表しています。自分で目を描き入れるものは「縁起だるま」と呼ばれ、願いを込めて左目を描き入れ、願いが成就したら右目も描き入れます。
招き猫
お客様や金運を「招く」ことから。右手を上げている猫は「金運」、左手を上げている猫は「人を招く」とされます。また、招き猫の上げている手の長さが耳を超えているものを「長手」と呼び、長ければ長いほど遠くの福、大きな福
を招くとされています。
絵馬
運をいただき幸運を願う「祈願」から。馬の絵がある板に願い事と名前を書いて寺社に奉納します。神様の乗り物である神馬の奉納に代えて、板に描いた絵で奉納するようになったものです。
縁起熊手
商売繁盛・幸運・金運を「かき集める」ことから。熊手に千両箱やおかめ、鶴亀といったおめでたい飾りがついているもので、11月の酉の市では、福をとり(酉)寄せるという縁起をかついて市がにぎわいます。