「するな」「見るな」「いうな」禁忌のしきたり
古くから日本には「やってはいけない」「見てはいけない」「いってはいけない」というしきたりとして伝わる禁忌(タブー)があります。
「するな」のしきたり
してはいけないといわれるしきたりは不作法をいましめ、避けるための先人の知恵です。以下は不作法の例です。
- 敷居や畳の縁を踏んではいけない
- 夜に爪を切ってはいけない
(暗がりで爪を切ることでケガをする危険を避ける) - 夜に口笛を吹いてはいけない
(皆が寝静まる夜に口笛を吹く迷惑な行為をいましめるためのタブー)
「見るな」のしきたり
「鶴の恩返し」や「浦島太郎」など、昔話には見てはいけないものを見てしまったために悲しい結末を迎えるお話があります。
また、仏像に「秘仏」とされ、お寺の僧侶でさえも見ることを禁じられたものがあります。
これは見てしまったことで変化の力が失われてしまう、人の目にさらされることで神聖な力が損なわれてしまうという考えからきています。
なにごとも節度を守り、社会のマナーや約束ごとを大切にするしきたりと理解しましょう。
「いうな」のしきたり(忌み数と忌み言葉)
古来、日本には言葉には魂が宿るという言霊思想があり、それを避けたりほかの言葉や反対の言葉に変えたりして縁起をよくするしきたりがあります。
- スルメ→「する」が身代りをするにつながるため「アタリメ」に
- 結婚式でのことば「帰る」「去る」→「お開き」に
また、数字の4は「死」、9は「苦」につながることから忌み数とされ避けられていました。
ご祝儀には割り切れる偶数が避けられるのも同様です。反対に3は「満つ」とされて縁起がよいとされます。