蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

七十二候「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」とは

「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」は、二十四節気の「小満」の初候にあたる七十二候のひとつです。
蚕が新しい生命を芽出し、盛んに桑の葉を食べる様子を表す言葉です。この時季は、人々が蚕を大切に育て、絹製品を作り出すという、人々と自然の共生の様子を感じることができます。

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)の意味

桑の葉

蚕が卵から孵化し、桑の葉を盛んに食べ始める頃という意味です。

春の暖かさを感じ、桑の葉が青々と茂る頃、蚕たちは孵化し、桑の葉を美味しそうに食べ始めます。桑の葉を食べる蚕の食欲は旺盛で、まるで雨が降っているような「蚕時雨(こしぐれ)」と呼ばれる音がすることもあります。

時期

小満(5月21日頃)の5日間が「蚕起食桑」にあたります。

蚕と人との関わり

古くから蚕は、絹糸を作り出す貴重な資源として、人々と深く関わってきました。蚕を育てる養蚕は、日本の伝統的な産業のひとつであり、人々の生活に大きく影響を与えてきました。

  • 養蚕の風景: 蚕棚に並べられた桑の葉を蚕が食べている様子は、日本の原風景のひとつと言えるでしょう。
  • 絹製品: 蚕が作り出す繭から得られる絹は、着物や帯など、高価で美しい衣料品として珍重されてきました。
  • 蚕と文化: 蚕は、日本の文化にも深く根付いており、様々な物語や歌に詠まれてきました。

関連する言葉や季語

  • 小満
  • 蚕時雨